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水を平等に分ける方法

数学

ここにAとBの二人がいて、目の前に水が入ったコップが二つ並んでいます。ここでAとBが両方とも「納得」できるような水の飲み方はあるでしょうか?これは次のような方法が考えられます。まず、Aは二つのコップの水の量が「均等」になるように水を調整します。次に、Bは自分が水の量が多いと思う方のコップから水を飲みます。残った方のコップの水はAが「均等」だと思っているはずなので、どちらも納得できるはずです。

ここでは、AとBが納得できるとは、自分が平均以上だと思う量の水を飲める、ということです。しかし、隠れた前提がいくつかあるので注意しましょう。

①「Aが思う平均」と「Bが思う平均」は異なります。この場合ではAが水の量を調整したらAにとってはどちらのコップにも同じ量(Aから見た平均)の水が入っていることになりますが、Bから見れば一方のコップに水が多く入っている、という場合があり得る、ということです。

②Aが水の量を調整した後、Bが「(自分にとって)平均以上の量の水が入ったコップがない!」と言うことはない、としています。どちらかのコップには、Bから見て平均以上の量の水が入っているはずです。

こんなところでしょうか。隠れた前提は直感的にわかるようになると思うので、このくらいにしておきます。

 

さて、それではAとBとCの三人と、水が入った三つのコップがあった場合、三人ともが納得できるような水の飲み方はあるでしょうか?これもできます。まず、Aは三つのコップをどれも(Aにとって)均等になるようにします。次に、Bは水の量が最も多いと思う二つのコップをとって、それを(Bにとって)均等になるように調整します(これらはどちらもBが納得できるはずです)。これによって、Bが調整したコップのうち、片方はAにとって平均以上になり、もう片方は平均以下になってしまいます。つまりAが納得できないコップが出てきてしまう可能性がありますが、それでもCがどのコップの水を飲んだとしても、AとBが両方納得できる水の飲み方が存在します(確かめてみてください)。なので、三人のケースも解決です。

 

それでは四人の場合はどうでしょうか?一気に難しくなってきます。まず、Aが四つのコップの水を均等に分けます。次に、Bが最も多いと思う二つのコップの水を均等に分けます。このBが調整したコップのうち、片方はAは納得がいくはずで、もう片方はAから見て平均以下です。それではAから見て平均以下の方の、Bが調整したコップがありますが、これに対してCとDが納得いかなかったとします。そうすると、Bはこれを飲むことで、残りの三つのコップをA、C、Dが納得するように分ければいいことになり、これは三人の場合と同じなので可能です。なので、このAから見て平均以下の、Bが調整したコップに対して、Cは納得がいくとして考えましょう。さて、今度はAが最初に調整したコップのうち、Bが調整しなかった方(最も少ないと感じた二つ)のコップについて考えます。もしもこのうち、Dが納得するものがあれば、Dがこれを飲むことによって解決する方法があります。なので、Dが納得するものがなかったとしましょう。さらに、これらはBが最も少ないと感じた二つなので、Bにとって平均以下のコップが存在します。一方で、このうちCが納得するコップがあったとすれば、Dはどのコップを選んだとしても、全員が納得する飲み方が存在することになります。なので、Cが納得するコップもないとしましょう。

つまり、B、C、Dがそれぞれ平均以下だと見なしているコップが存在することになります。なので、これをAが飲んでしまえば、残りの三つのコップをB、C、 Dの三人で平等に分ける方法が存在するので、結局四人で平等に分ける方法が存在することになります。

 

それでは、一般のN人の場合は?直感的には帰納法でできそうな気がしますが、僕もまだ考えていません。でもなかなか面白くないでしょうか?分かっちゃった方がいらっしゃれば教えてくれると嬉しいです。